乾燥無垢材が癒しの空間と快適性を両立
長野県芽野市 一級建築士事務所 JOE設計 石田 氏
INTERVIEW 2022.5.12
『絶対的な武器になる』と即座に確信
一級建築士であるJOE設計(長野県茅野市)の石田讓社長は、在籍していた大手不動産で時代のトレンドをまとったオフィスやマンションをはじめ、数多くの都会的な住宅を目にしてきた。2015年、生まれ育った茅野市に家族とともにUターンしてからは、家業の塗装防水会社に入社。地域の工務店に出向するなどして現場の勉強も重ねつつ、リフォームや住宅の下請けにも取り組んだ。その一方で強まってきたのが新築住宅請負への思い。仕事は順調だったが、やはりビジネスの拡大や業績の抜本的な底上げを図るためにもいずれは新築住宅を手がけたい。しかし、今一つそこに踏み切れない理由があったという。「どうやって差別化すればいいか答えを出せずにいました」と石田社長は当時の心境を振り返る。地元の長野県南部でも、大手メーカーはじめ住宅業界の競争が激しい。「当時は流行に乗ったスタイリッシュな内外観の家が家づくりの正解だと思って疑いませんでした」と明かす石田社長。しかし大手メーカーやその中で生き残るには明確な差別化が必要となる。そこに決め手が見つからず、踏み出すのに躊躇する日々だった。
そんな中、石田社長は家づくりの差別化につながるヒントを求めて建築関係の有名な展示会に足を運ぶと、とある展示ブースに目を留める。「遠くからそこだけがキラキラして見えたんです」と話す石田社長。夢ハウスの展示ブースだった。目にしたのは自社開発の乾燥無垢材を用いた柱、床材、建具をふんだんに使って作り上げた空間。アカマツや桐の無垢材で作られた空間が美しく組まれ、ホッとする癒しの空間がつくられている。「家づくりへの考えがその瞬間に180度変わりました。他に無い自然味にあふれた家を作りたい。これは絶対的な武器になる。 始めるなら夢ハウスしかないと思いました」と、出会った日の気持ちを明かす。
ただ、新築住宅の元請けは未経験。そこでまず石田社長は準備期間を設ける。従来の仕事の合間に本部のある新潟に足を運んでモデルハウスや工場を見学し、夢ハウスの家づくりやラインアップする商品などを学んだ。同時期に「JOE設計」の看板を掲げ、元請けビルダーとしての営業にも備えた。こうした準備期間を経て、2018年に夢ハウスビジネスパートナーに加盟。新築住宅の元請け経験が無い一級建築士が夢ハウスビジネスパートナーとして地域の家づくりへと一歩を踏み出した。
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大きな価値を生む無垢材と家づくり